よみがえる第一次大極殿院|平城跡歴史公園

土と石の工匠

本瓦造り・本瓦葺

大極門の軒丸瓦や軒平瓦の文様、平瓦凸面の縄目、凹面の布目、鬼瓦の文様などは、第一次大極殿院の発掘調査で出土した瓦を忠実に再現。出土瓦によって奈良時代の瓦造りの技法が判明していますが、今回は現代的な方法でその意匠を再現しました。
また、奈良時代の瓦は、平瓦と平瓦の間を丸瓦で覆う伝統的で格式の高い「本瓦葺」です。焼き物である瓦は一枚ごとに形状が微妙に異なるため、本瓦葺は、どの瓦をどこに置くか見極めることから始まります。
本瓦造り、本瓦葺を担った工匠にお話をうかがいました。

本瓦造り・本瓦葺
本瓦造り・本瓦葺
本瓦造り・本瓦葺

礎石・基壇外装

大陸から伝わった礎石立ちは、藤原宮の時代から主要な宮殿の造営でも取り入れられました。大極門の礎石は、平城宮中央区朝堂院南門の礎石を参考に、円形の柱座を持つ形式とし、滋賀の道路・ダム事業で出た自然石の花崗岩を活用しました。
基壇外装の石は、平城宮跡の発掘調査で二上山産の凝灰岩が出土していますが、現在は採掘していません。そのため、現在も採掘されている兵庫県宝殿産の凝灰岩である「黄竜山石」を使用しています。
石の調達や切出し、現場設置を担った工匠にお話をうかがいました。

礎石・基壇外装
礎石・基壇外装
礎石・基壇外装

漆喰壁

建築物の壁に下地をつくり、土を塗り、鏝などの道具を使って土壁や漆喰壁を仕上げる工匠を「左官」といいます。大極門の壁は、「木小舞」の土壁と「木摺壁」です。「木小舞」の下地は、荒土に藁を混ぜて1年以上寝かせて発酵させた壁荒土で、この土を乾かして砕き、溶いて塗り重ねます。「木摺壁」は、下塗りから漆喰を塗り重ねていきます。仕上げはともに漆喰仕上げで6工程の手間がかけられています。
伝統技法を駆使して漆喰壁を仕上げた工匠にお話をうかがいました。

漆喰壁
漆喰壁