よみがえる第一次大極殿院|平城跡歴史公園

装飾の工匠

鴟尾

大棟の両端に輝く「鴟尾」は、青銅製の鋳物です。粘土で原型を作り、石膏で型取り、石膏型(外型)からFRP(原型)による型を起こし、砂の鋳型を作り、4分割にして青銅の鋳込みを行いました。さらに磨き、接合の後、漆を塗った上に金箔が5層重ね押しされています。屋根の四隅に吊られている「風鐸」、鴟尾の背面の破風に取り付けられている「拝み金具」も、ともに青銅製の鋳物で、風鐸には金メッキ、拝み金具には漆箔が施されています。
鴟尾、風鐸、拝み金具を製作した工匠にお話をうかがいました。

鴟尾
鴟尾
鴟尾

錺金具

錺金具の中でもっとも多い木口金具は青銅製の鋳物で、奈良文化財研究所の発掘や調査研究の成果を忠実に再現したものです。鋳型に溶かした青銅を流し込み、地金を製作。この地金を磨き、鍍金しています。隅木木口は、金を溶かした水銀を蒸発させる「アマルガム」技法を用いて鍍金し、ヘラ磨きで仕上げています。錺金具は伝統技能を継承する工匠によって約1年かけて製作されました。
錺金具製作を担った工匠にお話をうかがいました。

錺金具
錺金具
錺金具

建造物の木部は、赤茶色の丹土(3回塗)、緑色の緑青(6回塗)、白色の胡紛などの顔料で塗装されています。丹土塗は柱・梁・垂木などに、緑青塗は連子窓・高欄に、胡紛塗は天井板に施されています。塗料は現場で、膠と水を混ぜ合わせて温度管理を行いながら製作されており、すべて手作業の刷毛塗で、各塗料の特性を考慮して塗り重ねています。
伝統技法を継承する塗りの工匠にお話をうかがいました。

塗
塗